共に周南市

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周南市への移住

周南市ってどんなところ?

福本 直樹さん

■ 福本 直樹さん

2012年3月、大阪より周南市須金に移住。

須金に移住されたきっかけは何ですか?

以前体験した農業を田舎でしようと思ったことがきっかけです。この地に決めたのは、僕自身ブドウが大好きだったのでまずはその産地を探しました。岡山や妻の実家である宮崎など、いろいろと候補を挙げ検討しました。その中で、母の出身地である下関市も候補に挙がっており調べるうちに同じ山口県内の周南市須金がブドウの名産地だと知りました。
その後は偶然親戚が周南市に住んでいたこともあり、そのつてで市役所の方にお願いして、農園の候補地がないかを探してもらいました。

どれぐらい足を運んで、移住を決められたのですか?

現地に足を運んだのは2回です。以前は大阪府に住んでおり頻繁に足を運べませんでした。
ただ、スムーズに移住ができるよう市役所の方との事前のやりとりで、須金ぶどう・梨生産組合の組合長を紹介してもらいました。

実際に移住されてみて、須金の暮らしはどうですか?

仕事面においても生活面においてもとても楽しく過ごせています。移住するとき、まず国の研修制度を利用し組合長の農園で2年間研修生として勉強させてもらいました。なので自分の農園でブドウの苗木を育てだしたのはこの春からです。今はもっぱら開園に向けて準備をしています。毎日が楽しく妻と話していても、ブドウの話になったら止まらないくらいです。
仕事以外では、積極的に地域の行事に参加して地域の方と交流も深めました。周囲の皆さんが面倒見が良い方ばかりで、僕たち家族のことを気にかけてくれ、非常にありがたく感じています。今では地域に溶け込めたんじゃないかなと思っています。
子どもたちも元気に保育園と小学校に通っています。元々住んでいたところは、子どもたちを遊ばせるのに、5分ぐらいかけて公園まで行かなくてはいけなかったのですが、こちらでは家の近くでも遊ぶことができます。
正直、ご近所づきあいが一番心配していた部分でしたが、いい意味ですごく濃いお付き合いができていると思います。ブドウ園でブドウを守るためのモンキードッグ候補生の犬たちを飼っていますが、この2匹も近所の方から譲っていただいたんですよ。

ブドウづくりについては、前から学ばれていましたか?

ブドウとは関係ない農業体験や、岡山や宮崎で新規就農した方にお話を聞いたことはありましたが、本格的に学んだのは須金に移住し、組合長に教わったのが初めてですね。最初は失敗をして木が病気になったり、虫が入ったりすることもあり、そういったことに一喜一憂していました。でも今では研修をしていたころよりも落ち込まなくなりましたよ。もちろん、うまく育つに越したことはないですが、ブドウの木自体が持っている生命力を信じて、ある程度は落ち着いて構えられるようになりました(笑)。

ブドウ園の開園準備はどんな感じですか?

ブドウ園の名前はもう決めてあって、農園名は「ふくじろう」です。これは最初に農業体験させていただいた「しのたろう農園」のご主人のライフスタイルが素晴らしかったので初心を忘れないようにと、あやかりました。今はまだブドウの木をしっかり育てているところなので、オープンについてはまだ先になると思います。この農園は僕が買い取るまで、辞められて10年間ぐらい経っていたので、設備からやり直しで、まずは水やりの装置などを設置しました。今後も周りの電気柵を直したり、やることはいっぱいあるなぁというところです。イノシシやサルの被害からブドウを守るための、モンキードッグになる犬たちも現在しつけ中ですよ。
農園のためにすることは多く忙しいのですが、それが苦になるかといえばそうでもなくて。逆に没頭しすぎて、休憩をとるのをついつい忘れてしまって、妻によく怒られます(笑)。
今年は今までより気持ちに余裕が出たと思うので、できる範囲で地域の行事や活動にもより積極的に協力しています。

どんな地域の行事や活動に参加されていますか?

ふれあいプラザ須金でのイベント準備や、「須金なし・ぶどう祭」での出し物の話し合いとかですね。
活動と言えば、消防団にも参加しています。引っ越してきたときは、地域に早く馴染みたいと思って入団しましたが、今ではこの須金を守るのは自分たちだと思い参加しています。今まで住んでいた都会よりも、消防団の重要性が高いと考えていますし、この農園が燃えたときに守るのは僕です。僕がここでブドウ園をして暮らせることは、すごく良いタイミングや偶然が重なって手に入れることができた幸せですから、この農園、ひいては地域全体を守りたいですね。

これから移住を検討される方にメッセージをお願いします。

移住や農業をしたいと考えている人に大切なのは、自分の意志で最初の一歩を踏み出せるかどうかだと思います。「計画は悲観的に、最初の一歩とやり始めてからは楽観的に」と言うそうですが、その悲観的な計画を見ても、自分の意志で決められるならその人は大丈夫なのではないかと。僕もまだ途中ですが、たとえ失敗したとしても後悔はしないと思いますし、やろうというしっかりとした意志を持つ人は、自然と周りの人も助けてくれると思いますよ。